セミナー会場の隣室に設けられたビジネスネットワーキング会場は、大きく「アイデア創出ゾーン」「サービス創出環境ゾーン」「ソリューション展示ゾーン」の3つのエリアで構成され、業界ごとのアイデアの切り口や、ドコモが提供するアセット、そして実際に触れることのできる5G時代のソリューションを紹介しました。展示数は40にのぼり、東京や大阪での開催時を上回る規模となりました。
東海エリアで行われたソリューション開発や実証実験も多く、日本を代表する経済圏において5Gへの取り組みが活発であることを物語っていました。以下にその例を紹介します。
多視点映像配信システム(株式会社モビリティランド) 【実証実験 in 東海】【東海発】
講演でご紹介いただいた鈴鹿サーキットでの取り組みです。ドコモとの実証実験は、東海エリアで初めて5G移動基地局を用いました。2019年7月には「COURSE VIEW TERRACE」と名付けられた席を設け、スマートフォンでの映像配信を常設で楽しめる日本で初めてのレース施設となる予定です。
デバイスWebAPIの展開(株式会社NTTドコモ)【実証実験 in 東海】
「Device WebAPI」は、スマートフォンアプリやWebアプリから簡単にデバイスを接続して利用できる仕組みです。デバイスのメーカーによってスマートフォンや機器との接続方式が異なると、機能拡張が容易に行えません。そこで共通化された接続方式でデバイスが開発されることが望ましく、このAPIは国際標準化を目指しています。現在のところ他の通信事業者も含め100社以上の企業がコンソーシアムに加盟しています。鈴鹿サーキットでの映像配信でも、カメラの接続などを支える技術として採用されています。
遠隔360度車両販売商談システム(株式会社アジェンシア)【東海発】
欲しい自動車があれば、遠い場所であっても手に入れたいと思うものの、現地まで見に行くのが難しい場合もあります。売り手が撮った写真だけでは見たい場所を見ることができず、情報が不足しています。名古屋市にあるアジェンシアが提供するこのシステムは、買いたい人がチャットで質問し、売り手が質問に応じてカメラを使い動画と音声で説明することにより、スムーズに商談を進められる仕組みです。これまではLTEを使うと不鮮明でありスムーズさを欠いていましたが、5Gならば細かい傷なども確認することができます。中古車販売の商圏拡大が期待されます。
NETDUETTO(ヤマハ株式会社)【東海発】
浜松市に拠点を置くヤマハのNETDUETTOは、音楽演奏を離れた場所にいるメンバーと一緒に楽しめるように、音楽と映像を同期配信するサービスです。これまでは遅延のない完全な同期が難しかったのですが、5Gの特徴である「低遅延」によって、すぐ横で演奏しているかのような体感を得ることができます。スペインで開催されたMWCで披露したデモは毎回満員で、非常に注目され好評を博しました。5Gは同じ趣味を持つ人の輪を広げる可能性を持っています。
モニタ型案内ロボット(オチュア株式会社)【東海発】
「Enkac: Walker」と名付けられたこのロボットは、遠隔操縦で場所を移動しながらコミュニケーションできるサイネージです。5Gによって「高画質」「低遅延」のスムーズなコミュニケーションを実現できます。オペレーター1人で複数拠点の対応、柔軟な働き方が可能になるため、コストダウンやスキルの高い人材確保につながります。また、AIによるバーチャルキャラクターが対応することもできます。東海エリアの公共施設や企業における採用が活発で、東海から広がりをみせているソリューションです。
産業・フィールド用ARウェアラブルデバイス「AceReal One」/「AceReal」 【東海発】(サン電子株式会社)
名古屋市に本社のあるサン電子は、Keynoteスピーチでも言及があったAceRealを出展しました。「AceReal One」はスマートグラスで、「AceReal」はアプリケーションと開発キットを含むトータルソリューションです。業務用途に特化し、防塵防滴で遠隔でのフィールド支援を実現するソリューションは珍しいものです。ドコモ5GオープンラボOSAKAで行われた実証実験では、ドローンの空撮画像を操縦者のスマートグラスに表示させ、さらに5Gで鮮明な画像をパソコンに送信することに成功しました。ドローンから目を離せない操縦者が空撮映像を確認しながら操縦でき、さらに5Gで遠隔の人間やAIから指示を受けられるようになります。
8K360度ライブ映像視聴ソリューション(株式会社NTTドコモ) 【実証実験 in 東海】
遠隔であっても、その場にいるような体感ができるソリューションです。8K360度カメラの映像はとても大容量であるために扱いが難しいのですが、5Gと高度なリアルタイム映像処理技術により、昨年、新潟県内で実証実験を成功させました。これは世界初の事例です。実証実験は愛知県内でも行われ、バレーボールの試合を撮影し、高画質の映像を遠隔地で視聴することができました。
会場内では5Gに関するあらゆる相談や質問が気軽にできるように、およそ50名のエンジニアを含むドコモの担当者が来場者の皆様をお迎えし、ビジネス検討やソリューションの詳細などについてご案内しました。ドコモは今後も支援体制を充実させ、パートナー企業様とともに社会課題を解決していきます。
※「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」「docomo 5G DX AWARDS」「ドコモ5Gオープンラボ」「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※「ネットワークカスタマイゼーション」「キャリー5G」「クラウドダイレクト」は、株式会社NTTドコモの商標です。