ドコモ5Gオープンパートナープログラム

ドコモ5Gオープンパートナープログラム®テーマ別ワークショップ「5G×産業改革・創出」
詳細レポート

9月6日(木)に大阪市梅田のハービスホールにて、テーマ別ワークショップを開催しました。3回目となる今回のワークショップのテーマは、「5G×産業改革・創出」。初開催となる大阪に1600社超のドコモ5Gオープンパートナープログラム参加企業から161社が参加しました。当日の模様を振り返ります。

大阪府と連携し、西日本初の「ドコモ5Gオープンラボ® OSAKA」を開設

開催に先立ち挨拶に立ったのはNTTドコモ関西支社長 高原幸一。高原は「2020年の5G商用サービス開始に向けてパートナーとともに取り組みを進めていきます。9月にはドコモ5Gオープンラボ OSAKAも開設。大阪府とのパートナーシップのもと新しい産業の創出に貢献します」と話し、関西地域でも5Gが大きな盛り上がりを見せていることを紹介しました。

続いて、大阪府商工労働部 村形裕司氏が登壇し、大阪府知事の松井一郎氏からの寄せられた祝辞を読み上げました。「5月に連携協定を結び、西日本初となる常設5G技術検証環境を整備されます。今後も、IoTやロボット、SDGsなどに向けてさまざまな連携を進めています。ドコモは非常に強力な“援軍”。さまざまなビジネスマッチングの機会を設け応援しています」という府知事からの大きな期待を紹介いただきました。

お客様とパートナーそれぞれに対する価値創造を図っていく

最初に、基調講演に登壇したのは、NTTドコモ法人ビジネス本部ソリューションサービス部長の三ケ尻哲也です。三ケ尻は「ドコモが描く5Gの世界 - さまざまなパートナーとの協創 - 」と題して、ドコモの目指す姿、5Gの特長、ドコモ5Gオープンパートナープログラムの今後の方向性を語りました。

ドコモでは「beyond 〜想いをつなげ5Gでより豊な未来へ〜」を掲げ、「お客様への価値・感動」と「パートナーとの価値・協創」の2つの側面から取り組みを進めています。「5Gで社会・産業の発展に貢献」することも重要なテーマです。

5Gは「高速・大容量(ピークレート20Gbps)」「低遅延(無線区間の伝送遅延1ms)」「多数の端末との接続(同時接続数100万デバイス/km2)」という3つの特長があり※1、2020年の商用サービス開始に向けてさまざまな実証実験が行われています。その1つとして、4月に、NISSAN GT-Rを用いて行われた時速300kmの超高速移動環境での5G無線通信実験の様子をビデオ映像で紹介しました。

*1 標準化上( Recommendation ITU-R M.2083-0)で議論される要求条件

ドコモ5Gオープンパートナープログラムについては、8月末現在で1600社を超える企業・団体に参加いただいていることや、取り組みのなかで、特にパートナー同士のビジネスマッチングに向けた要望が多く寄せられていること、ドコモ5Gオープンラボ(以下、オープンラボ)を大阪に続いて12月に沖縄にオープンさせること、四谷のオープンラボ Yotsuyaとあわせて計3拠点が直結する「ドコモオープンイノベーションクラウド®」(以下、オープンクラウド)環境を提供することなどを紹介しました。

そのうえで三ケ尻は「住友電気工業様のリアルタイムな交通状況把握、和歌山県/和歌山県立医科大学の高精細映像による遠隔医療、小松製作所様の重機遠隔操作システム、新日鉄住金ソリューションズ様の人型ロボット遠隔操作システム、そのほかにもオープンラボやオープンクラウドを使ったパートナーソリューションの開発が進んでいます。パートナー様との新しい価値の協創を西日本からも積極的に進めていきます」と強く訴えました。

スマート化された道路と車が実現する未来を紹介(住友電気工業)

実際にパートナー企業はどのような取り組みが進めているのでしょうか。続いて行われたパートナープレゼンでは、ドコモの有田浩之をモデレータに、住友電気工業とワコムの2社による取り組み事例が紹介されました。

最初に登壇いただいたのは、住友電気工業株式会社の自動車新領域研究開発センター車載システム研究部 高山浩一氏です。「5G時代の車載システム(車載ネットワーク)と路車協調の取組」と題する講演を行いました。

高山氏は、5Gによって車載システムがどう変わるのかについて「クルマのメインECUが賢くなり、命令・データ伝送が高速化します。すると、頭脳(Head Units)が高速通信を使って、各ECU(センサやデバイス)の制御、データの収集・配信を主導するようになります」と説明しました。こうしたなかで同社はチップベンダなどと協力して車載ネットワークで「マルチギガイーサ技術」による高機能化、高速化に取り組んでいます。

また、5Gが普及した202x年の社会に向けて、「道路のスマート化」も進めています。具体的な取り組みとしては、同社の横浜事業所のテストコースに設置されたセンサや車に搭載されたセンサから、道路上の状況をくまなく収集し歩行者の行動を推定して、ドライバーごとに適切な通知を行う実証実験を紹介しました。横断歩道のある交差点で死角から侵入する歩行者を検知して車に知らせたり、渋滞中の道路で車両間をすり抜ける歩行者を検知したりできることをデモで示しました。

高山氏は「道路のスマート化にはいろいろな活用が考えられます。パートナーと連携して取り組んでいきたい」と期待を寄せました。

クリエイター向けの3Dコンテンツ制作ツール(Wacom)

続いて登壇したのはペンタブレットで有名な株式会社Wacom(ワコム)です。同社のプレゼンでは、ビジネス開発室バイスプレジデント 玉野浩氏が「5G高速モバイルネットワークを活用した3Dデザインのご提案」と題した講演を実施。VR技術と独自のペン付属のVRコントローラを用いて、VR空間上にモノを描画しデザインができるソリューションを紹介しました。

ペンタブレットや液晶タブレットで世界的に知られるワコムですが、ドコモとの協業の歴史も長く、さまざまな製品開発を一緒に取り組んできたといいます。VR/MRについては2016年に「VR元年」として注目を集め、2017年にはビジネス現場に導入が進みました。

「ただ、クリエイターが業務でフル活用でき、業務改善に役立つVR描画制作統合ツールはありませんでした。そこでVR用のインプットコントローラを開発し、CADや3Dソフトと連携して、VR空間上で設計ができるようにしました。自動車や機械設計、ゲーム設計などさまざまな業界での活用が考えられます」(玉野氏)

3D CADやVRには高速回線と低遅延が求められます。この3Dデザインツールはネットワーク通信も可能で5Gを利用することで、遠隔からデザインを行ったり、複数のクリエイターでコラボレーションを行ったりできます。玉野氏は「5Gが普及することでクリエイターがよりクリエイティブに働くことができるようになります」と、5Gが働き方改革につながることを指摘しました。

商用サービスに向けて取り組みが進む海外動向

5Gは海外ではどのように捉えられているのでしょうか。パートナープレゼン後に開催された海外動向リサーチのセッションでは、ピィ.ピィ.コミュニケーションズの代表取締役 室屋秀樹氏が登壇。「5G海外動向 〜5Gがひらく未来〜 Advanced Technology Cases」と題して、国際的な展示会やカンファレンスの模様や、海外の5Gオペレータの商用化動向、5Gを活用したグローバル企業の事例などを紹介しました。

テクノロジー関連の国際展示会は、1月のCES、2〜3月のMobile World CongressとSXSW、5月のCOMPUTEX TAIPEI、9〜10月のIFA、GITEXなどがありますが、それぞれが役割を持ち、発展拡大しています。合わせてスタートアップイベントが行われることも多く、投資や新規事業のヒントを得ることもできると言います。

こうした展示会に年間10回以上足を運ぶという室屋氏は、「自動車が家電として扱われるようになったり、人間の脳に電極を埋め込んだり、刺激的な取り組みが披露されます。5Gはいまどんなステージなのか、世界のプレイヤーは何を実現しようとしているのか、それは社会や産業にどのような変化をもたらすのかを知るうえでも注目しています」と話しました。

5Gは7月中旬時点で世界66カ国154のオペレータ(キャリアやネットワークベンダー)が取り組みを始めている状況です。北米では、Verizon、AT&T、Sprint、T-Mobileがあり「2018年度中の導入を控え、もっとも現実感のある事例の多い地域」(同氏)のことです。

アジアでは、韓国SK Telecom、KT、中国China Mobileの存在感が強く、欧州では、イギリスのVodafone、フランスのOrange、スイスのSwisscomが2020年の商用化に向けて移行を始めている状況です。このほか、産油ビジネスの消失に備え“データを第二の原油”にすることを目指す中東も注目の存在とのことです。すでにカタールのOoredooが世界初の5G商用ネットワークをアナウンスしています。

そのうえで室屋氏は「暮らす(パーソナルな生活シーン)」「住まう(コミュニティにおける変化)」「つくる(インダストリーの構造改革)」という3つの観点から海外の取り組み事例を紹介していきました。

最後に室屋氏は、「生活者については、パーソナライズ&最適化、体験のリッチ化、課題解決への一気通貫なサービスがキーワードです。コミュニティでは、社会横断的な仕組みによる全体最適を目標にさまざまな取り組みが生まれ、それが社会や産業に構造的な変化をもたらすだろうと見ています」と今後の展望を話しました。

SDGsは5Gビジネスとイノベーションの好機になる

本ワークショップの最後のセッションを締めくくったのが、一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)専務理事で国連開発計画(UNDP)イノベーション担当上級顧問を務める西口尚宏氏による特別講演です。「5Gで実現するSDGs 〜SDGsはイノベーションの機会〜」と題して、5GはSDGsの達成とどうつながるのかをテーマに、SDGsの取り組みや5Gとの関係を解説しました。

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年9月に国連本部にて193ヵ国の合意のもとに採択され、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットを各国ごとに定めたものです。

具体例として、目標3「すべての人に健康と福祉を」では、「あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」ことを目標に掲げています。ターゲット6は「2020年までに世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」こと。現在、交通事故の死亡者は全世界で年間120万人であるので、60万人を救うために何ができるかを大目的、中目的(駆動目標)、具体的な施策(達成目標)として設定、実行していきます。

例えば、駆動目標の例ならば、事故の未然防止、事故のインパクト防止最小化、事故後の良質対応などが考えられます。それをさらにブレークダウンし、公的機関なら歩道橋整備、民間ならセンサでの自動車の管理、携帯用AEDの開発といった施策を打っていきます。

「ここで重要なことはビジネスとして企業収益を得ながら取り組みを進めること」だと西口氏は言います。SDGsはよく、狭義の「CSR」や環境問題への対応などと誤解され、さらには、「SDGs対応」をうたって自社の商品やサービスを売り込む「コミュニケーションツール」として見られることもあります。しかし西口氏は、「SDGsはビジネスとして達成可能な目標であり、つくりたい未来(ゴール)の集合体です。SDGsを正確に理解すると、想像を絶する規模の需要が目の前に広がっていることがわかるはずです」と話しました。

5Gをテーマにしたビジネスマッチングは、こうしたSDGs実現のためのビジネスイノベーションと密接な関係があります。西口氏は「さまざまなプログラムでビジネスの機会を見つけてほしいと思います」と述べ、ドコモ5Gオープンパートナープログラムがそうした活動の格好の場になることを強調しました。

ビジネスネットワーキングの会場では「コネクテッド掲示板」なども

第1部の講演を終え、その後は第2部ではパートナー同士の交流の場として、ビジネスネットワーキングを開催しました。会場では、第1部で講演を実施した方々がブースを設け、多くの参加者が登壇者の方々と自由にコミュニケーションを行っていました。また、「ドコモコミュニケーションブース」「5G実証実験ブース」「ドコモオープンイノベーションクラウドブース」「SDGs × 5Gミニワークショップ」の4つのブースを設置し、参加者は第1部の講演で紹介された実証実験やソリューションのデモを見たり、体感したりしました。

特にJINの西口氏主催によるミニワークショップでは、同氏の講演で紹介されたイノベーションを起こすための数々のヒントをもとに、SDGsと5Gを使ってオープンイノベーションを起こすための思考と実行のプロセスをより実践形式で学べるブースが設けられました。ミニワークショップを通じて、たくさんの参加者がチームワーキング形式でイノベーション思考と実践のコツを体感できたとともに、参加者同士の横のつながりも築かれました。

そのほか会場では、前回参加者のアンケートでご要望の多かった「もっと参加者同士のつながりがほしい」というご意見を踏まえ、5Gを活用したアイデアを参加者が自由に書き込める「アイデアボード」、パートナーの皆様のコミュニケーションを促す「コネクテッド掲示板」を設け、多くの方に関心を寄せていただきました。なおこの「コネクテッド掲示板」は、本サイトにも専用ページを設けているので、ビジネスマッチングの第一歩として、ぜひご活用ください。

今回のワークショップは初の大阪開催ということもあり、たくさんの方々にご参加いただき、会場は最後まで熱気に包まれていました。こうしたワークショップや皆様のご意見を踏まえて、ドコモでは、さらにパートナー様との協創を加速する取り組みを行っていきます。

※「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」「docomo 5G DX AWARDS」「ドコモ5Gオープンラボ」「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※「ネットワークカスタマイゼーション」「キャリー5G」「クラウドダイレクト」は、株式会社NTTドコモの商標です。