第5回:ドコモ5Gソリューション オンラインセミナー ドコモ5G×ロボットの可能性を広げる「SLAM」とは?




ドコモ5Gソリューション オンラインセミナーでは、5Gを活用したソリューションに関する様々な旬のトピックを皆さまにご提供します。第5回となる今回のテーマは「ロボットの可能性を広げる「SLAM」とは?」です。
5Gのメリットを引き出すソリューションにはロボットを活用したものが多くありますが、その可能性を広げる技術として「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」が注目されています。「SLAM」とは、移動体(ロボット)の「自己位置推定」と「環境地図作成」を同時に行う技術。地図情報を持たないロボットは、まさに眼を持たない機械。そうしたロボットに「視覚」とも言うべき知覚を与えるソフトウェアがSLAMです。
Kudan株式会社は、独自に磨き上げたSLAMソフトウェアの開発・提供によってロボットの高度な自律移動を可能にしており、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と株式会社NTTドコモ・ベンチャーズが共催する5Gソリューション創出コンテスト「docomo 5G DX AWARDS® 2020」で準優秀賞を受賞しました。
本セミナーでは、SLAMの技術的な解説と活用事例についてご紹介しました。また、DX AwardsをはじめとしたNTTドコモの5Gソリューション創出への取り組みについてご説明しています。
時間 | 内容 |
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15:00-15:10 | オープニングトーク(イベント説明) @事務局 |
15:10-15:50 |
ロボティクスを未来へ導く Kudan/Artisense SLAM
中村様@Kudan |
15:50-16:00 | 質疑応答 中村様@Kudan |
16:00-16:20 |
docomo 5G DX AWARDS
-5Gの新たな協創ソリューションの創出をめざして- 河井@NTTドコモ |
16:20-16:30 | 質疑応答 河井@NTTドコモ |
16:30-16:35 | クロージング |
ロボティクスを未来へ導く Kudan/Artisense SLAM
講師:中村 旭宏(Kudan株式会社)
■Kudan株式会社 概要
Kudan株式会社は、イギリスのブリストルで創業し、機械やロボットに「視覚」ともいうべき機能を付与するSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術において、独自に磨き込んだアルゴリズムのソフトウェアを提供するディープテックカンパニーです。2014年に本社機能を東京に移し、2018年末に東証マザーズに上場いたしました。
また、ドイツのミュンヘンにあるArtisenseという企業を段階的に買収していくことも発表しています。
■「SLAM」とは?
Kudanは、自動車やロボット、農業機械、ドローンなどのあらゆるデバイスに空間認識機能を与えるSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)ソフトウェアを独自開発、提供しております。
SLAMは「人工知覚(Artificail Perception)」領域の技術であり、デバイスが位置する場所の環境地図を作成し、その地図の中においてデバイスの自己位置を推定するという、まさに機械の「眼」ともいうべき役割を果たします。人工知覚はしばしば人工知能(AI)と混同されますが、人工知能は適切な判断を下す機械の「脳」となる技術であり、人口知覚とは役割が異なります。
SLAMは、カメラやLiDAR(Light Detection and Ranging)、その他様々なセンサーからの入力を元に処理を行い、環境地図の作成と自己位置のを行うソフトウェアです。
例えば、SLAMが搭載されていない掃除ロボットは、ランダムに部屋の中を動き回るため、全ての床面を掃除できるとは限らず、バッテリーを無駄に消費してしまいますが、SLAMを搭載している掃除ロボットであれば、移動しながら部屋の地図を作成し、部屋の形や自身の動きを認識しながら効率的に動くことが可能となります。
来るべき「人間とロボットが共生する時代」に向け、環境空間の認識は、すべての判断のベースとなるため、ロボットによる自動化・自律化を実現していくためには、SLAMは必要不可欠な基盤技術と言えます。
■Kudanグループの提供するソリューション
Kudanグループが提供するSLAMは、カメラから得られる画像を用いて処理をするVisual SLAMとLiDARセンサーを用いて処理をする3D-Lidar SLAMの大きく2種類に分類されます。
画像を活用したSLAMであるVisual SLAMには、Indirect方式とDirect方式の2つがあり、KudanはIndirect方式を、買収を発表しているArtisenseはDirect方式を開発しているため、クライアントがロボット活用を考えている様々な環境に応じて、最適なVisual SLAM の提供が可能です。
また、3D-LiDAR SLAMもユースケースに合わせた最適なセンサーを組み合わせてソリューション開発が行えます。
■5GとSLAMの親和性
Kudan SLAMは、クラウド型ソフトウェアとしてもご提供が可能です。計算処理に必要な高スペックな環境をクラウド側に構築し、クラウド側で高度な計算処理を行うようにすることで、エッジ側は必要最低限の処理を行う環境のみで良くなります。まさにdocomo Open Innovation Cloud上にてご活用いただくなど、ドコモ5Gとの親和性は非常に高くなっています。
ただし、クラウド上でのSLAM実行は5G通信が前提になります。5Gの高速かつ低レイテンシーの通信を利用することで、クラウド上に用意した地図をデバイスにダウンロードしたり、クラウド側でのSLAMによる計算結果をレイテンシーなくデバイスへフィードバックすることが可能となり、クラウド側でのSLAM実行が有効な手段となります。
今後、すべての環境地図データと処理機能をエッジ(デバイス)側に置くのか、それともある程度クラウド側で行うのか、それともその中間的な折衷案を取るのかなど、ドコモと一緒にトライ&エラーで模索しながら、未来のロボティクスにおける“デファクト”となれるような役割を担っていきたいと考えています。
docomo 5G DX AWARDS 2021
-5Gの新たな協創ソリューションの創出をめざして-
講師:河井 雅明(株式会社NTTドコモ)
■docomo 5G DX AWARDSとは?
docomo 5G DX AWARDSは、5G時代の新たな協創ソリューションの創出を目的としたコンテストです。
応募企業の特徴的なアセット(技術、プロダクト、サービス)と、ドコモの5Gネットワークや技術的なノウハウ、ドコモ5Gオープンパートナープログラム®のようなビジネスマッチングの仕組み、全国的な営業網を組み合わせた、5G時代の新しい協創ビジネスの実現をめざしており、第2回目であるdocomo 5G DX AWARDS 2021のエントリーが2021年3月24日から開始されました。
■3つの応募メリット
・入賞した企業に賞金を授与します。賞は最優秀賞100万円、優秀賞30万円、準優秀賞10万円2件の合計4件を予定しています。
・ドコモ5G活用ソリューションとして早期のサービス化を目指して検討を行います。その際にドコモ側がサービス化のための開発費を一部ご支援します(詳細は別途協議)。
・ドコモの法人営業担当の営業網を活用して、セールス/プロモーションの活動が行えます。また、ドコモ主催のイベントでの展示や、5Gオープンパートナープログラムでの情報発信なども行います。
■募集テーマ
今回の募集のテーマは「業界×イシュー」となります。業界は12の業界、イシューは「産業の高度化」「働き方改革」「街づくり」の3つです。これらをかけあわせてテーマを決め、想定しうる社会課題を検討、設定し、解決方法・ソリューション/活用アセットを応募していただきます。
12業界は以下の通り、広範囲に渡っております。
・ヘルスケア
・建築・土木
・メディア・エンタメ
・教育
・観光
・公共・インフラ
・モビリティ(移動・運輸)
・一次産業
・製造
・不動産・小売
・スポーツマネジメント
・金融
■選考プロセス
・1次選考(書類選考)
7月31日までに応募のあったアセットについて1次選考として書類選考を行います。
・ファイナルピッチ(プレゼンテーション)
1次選考を通過した企業は、9月中旬にファイナリストピッチとしてプレゼンテーションを行っていただき、最終選考を行います。
1次選考、最終選考共に、選考基準は以下の5つです。
・革新性・新規性
・実現性
・5Gとの親和性
・活用性
・市場性
応募方法の詳細は、アワードの特設サイトをご参照ください。
※「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」「docomo 5G DX AWARDS」「ドコモ5Gオープンラボ」「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※「ネットワークカスタマイゼーション」「キャリー5G」「クラウドダイレクト」は、株式会社NTTドコモの商標です。