ドコモ5Gオープンパートナープログラム

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5G×VR×BodySharing 観光振興の実証実験 那覇市と名護市、50Kmの遠隔でカヤック操舵を連動。
感性に働きかけるアクティビティのバーチャル体験で、観光振興の新たなユースケースを提唱。

5Gの活用により社会課題の解決を目指すドコモは、沖縄県においてH2L株式会社(以下、H2L)と共同で5G大容量・低遅延通信×VR×BodySharing∗による、感性に働きかける新しい観光アクティビティ・バーチャル体験の実証実験を行いました。

開催概要

実施日

2020.02.25(火)~2020.02.27(木)

実施場所

沖縄工業高等専門学校
ドコモ5Gオープンラボ® OKINAWA

参加企業・団体

那覇市と名護市、50Kmの遠隔地を接続してカヤック操舵および
視界映像を5Gで伝達

本実証実験は2020年2月25日(火)~27日(木)の3日間、沖縄県那覇市の常設5G技術検証環境「ドコモ5Gオープンラボ OKINAWA」(以下、ラボ)と、名護市の沖縄工業高等専門学校(以下、沖縄高専)の2か所、約50Kmの遠隔地を5G通信で接続し、行われました。

ラボにはVR×BodySharingの実証装置として、VR映像とカヤックの動作を模擬できる装置マスターシステムを設置。沖縄高専のプールサイドには5G可搬型基地局が設置され、プール上には5G端末と、人間の上半身の動きを再現するトルソーロボットを搭載したカヤックが浮かびます。ラボの体験者がVRゴーグルを装着してマスターシステムを操作すると、遠く離れたプール上のカヤックに搭載されたトルソーロボットとスラスター(水中スクリュー)が連動。トルソーロボットは体験者の頭の動きにあわせて前後左右はもちろん、水面を覗き込むような動作もリアルタイムに連動します。
これにより体験者は、自身が操作するパドルに伝わる水面をかく抵抗感や、モーションプラットフォームにより伝わるカヤックロボットの揺れと共に、VRゴーグルを通して連動する視界により、あたかも自身がプール上のカヤックに乗って操舵しているかのような、リアルな感覚を体験できるという仕組みです。

実験では映像と制御信号のデータ伝送における、従来のLTE通信環境と5G通信との比較も行われました。LTE通信では視界映像がコマ送りのようになってしまう一方、5G通信では同画質でも滑らかな映像に。5Gの大容量、低遅延のデータ伝送技術の効果が大いに発揮されました。

5G×VR×BodySharingで沖縄北部やんばる地域の観光創生をめざす

▲H2L株式会社 代表取締役 岩﨑健一郎氏

ドコモと共に本実証実験を行ったH2L代表取締役の岩﨑健一郎氏は、そのきっかけと狙いを、次のように話します。「H2Lはオーディオ・ビジュアルの次の技術として、身体の触感、態勢感覚を共有するBodySharing技術を研究、開発しています。ドコモとは2019年1月9日、この技術を活用した5G時代における新たなサービスや利用シーンの協創に向け連携して取り組むことに合意、発表しました。当社のBodySharing技術と、ドコモの高速・大容量・低遅延の5G通信を組み合わせることで、どのように沖縄の地域と産業に貢献できるかドコモと協議を重ねる中で、沖縄北部やんばる地域の観光アクティビティであるカヤックを、映像だけでなく体へのフィードバックを伴ってバーチャル体感してもらうアイデアが浮かびました。」

沖縄県北部のやんばる地域とドコモは、2018年からICT活用による環境保全、観光振興、まちづくり促進で連携する関係にあります。やんばる地域は世界自然遺産の登録候補地になるなど豊富な自然環境資源を有する魅力的な観光スポットである一方、認知度の低さと那覇から片道2時間近い地理的要因も相まって、集客に課題を抱えています。BodySharing技術と5Gがこの課題解決に役立つのではないか。そう考えたH2Lとドコモは、一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(以下、ISCO)と共同で、総務省の「5G利活用アイデアコンテスト」に応募。見事、アイデアが評価されたことで本実証の実現に至りました。

5Gの高速・大容量・低遅延通信でリアルな体験が
実現地域の観光創生と共に、ユニバーサルツーリズムの実現にも期待

従来のバーチャル観光体験で見られる“映像や音声だけでは実体験ほど臨場感が得られない”という課題を、BodySharing技術と5Gはどのように解消するのか。その効果を、岩﨑氏は次のように語ります。「従来のLTE通信と比べて、高速・大容量の5G通信では転送できる映像品質が向上し滑らかなVR映像が提供できるようになり、没入感が向上しました。また、LTEで発生する遅延も5Gで解消されたことで、BodySharingによるリアルタイムな首の動きやカヤックの操舵感覚の伝達が実現。より臨場感のある体験が実現しました。」
今回の実証実験では、実際に体験した方からも「前に進む、後ろに進む際の水の抵抗など、カヤックを漕いでいるパドリングの感覚がリアル」「水に浮いている振れや、実際に体を動かす体験が楽しい」「自分の動きのフィードバックと共に、自分が見たい場所がリアルタイムに見られることで、現地にいるような感覚が得られた」といった声が寄せられました。

▲ISCO専務理事 永井義人氏

このアクティビティ遠隔バーチャル体感を各地で実施することにより、現地のPR効果や集客効果が期待されます。さらに、ISCO専務理事の永井義人氏は、高齢者や身体の不自由な障がい者など、現地に足を運ぶことが難しい方々への新たなユニバーサルツーリズムのユースケース提唱としての意義も高い、と語ります。「今回の実証では、従来のVR体験に比べ体に伝わる感覚や高画質な視界など、自分が現地にいる感覚が非常に高く、驚きました。現地へ行く前にお試しで体験することで旅行費用負担への納得感が高まるなど、旅の在り方、選び方がテクノロジーで変わる期待が高まりました。加えて、高齢者や身体の不自由な方などが現地に足を運ばなくても気軽に、豊かな体験が楽しめるユニバーサルツーリズムの観点からも、この意義は高いものがあると感じました。」

▲沖縄工業高等専門学校 メディア情報工学科
助教 博士(工学)金城篤史氏

今回の実証実験に協力した沖縄工業高等専門学校メディア情報工学科助教(工学博士)の金城篤史氏も「5G通信により帯域が広がることで、高画質映像の遅延のない配信など、これまでできなかったことが可能になる。」との期待を寄せました。

「5G×BodySharingアイデアコンテスト」に100を超えるアイデアが集まる

今後、本実証実験の仕組みは「H2Lが開発を進める筋変位センサー搭載VRデバイス「FirstVR」の技術を用いて、もっと気軽に実施できるよう取り組みを進めていく予定」(岩﨑氏)とのこと。
また、ドコモでは2019年4月に「5G×BodySharingアイデアコンテスト」を開催。ドコモ5Gオープンパートナープログラム参画企業から100を超えるアイデアが集まり、最優秀に選ばれたアイデアの実現に向けての取り組みも、進められています。
これからもドコモは、高齢や障がいなどの有無に関わらず誰もが気兼ねなく参加できるユニバーサルツーリズムの実現など、多様な分野におけるサービスやユースケースの協創を進め、5Gを活用した地域の産業振興への貢献と、各種社会課題の解決をめざします。

∗BodySharing技術とは、離れた場所にあるロボットや他者と、遠隔地から身体の動きを共有することを目的として、視覚や聴覚だけでなく、触覚を含む身体感覚を伝達する技術です。「BodySharing」は、H2L株式会社の登録商標です。

参考)実証実験プレスリリース
https://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/kyushu/page/200218_01.html

各社の役割

カヤックロボットシステムの開発
検証フィールドの提供
総務省主催「5G利活用アイデアコンテスト」への提案
実証の被験者の参加調整
実証及び事業化における沖縄県内関係者調整の支援
株式会社NTTドコモ 5G通信環境の構築

※「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」「docomo 5G DX AWARDS」「ドコモ5Gオープンラボ」「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※「ネットワークカスタマイゼーション」「キャリー5G」「クラウドダイレクト」は、株式会社NTTドコモの商標です。